街を歩けば目に止まる美しい着物姿。華道や茶道、香道に至るまで、京都の街には日本の美を感じさせる伝統が色濃く反映されています。古くより「京美人」と呼ばれるのも、外見だけでなく内面から放たれる和の精神があってこそ。京都には、美容のご利益がある神社をはじめ、美容にまつわる店が新旧そろい、「京美人」の日々の心構えがうかがえます。老舗から話題のコスメまで、京の美を追求する旅に出て、心の中から美しくなりませんか。


京都が育む美の伝統に触れる
京都には芸舞妓が行き交う五花街があり、1000年の都として栄えた華やかさが感じられます。そんな歴史ある街とともに育つ美の老舗。京美人と称されるように、昔から美を追求してきた京都人御用達の店には、確かな品質から今も多くの人たちが通います。時代に合わせ、伝統を守りながらも現代の暮らしに馴染む美の品々。一度試してみれば、変わらずに残る理由を実感できます。あなたもきっと、一歩踏み込んだ街の魅力に気づくはず。
【十三や】
〜 使うほどに愛着が増す、一生もののつげ櫛 〜
こぢんまりとした店内に所狭しと並べられた櫛や髪飾り。四条通で昔ながらの景観を今に残すつげ櫛店は、明治8年(1875)創業。京都市山科区に工房を構え、手作業でつげ櫛作りを行なっています。最高級つげ材として名高い薩摩つげを仕入れ、数年かけて木材の準備を整えるところから。細かな工程を経て、質の高いつげ櫛が生まれます。粘りがあり緻密なつげ材は静電気が起きにくく、椿油で手入れをすることでとかす度に艶やかな髪に。大切に使い育てれば深みのある飴色になり、自分だけの櫛として一生愛用することができます。櫛選びに悩んだら、ぜひ店主に相談を。髪質や用途に合わせ、種類豊富な中から長年寄り添う相棒を見つけてくれます。
【上羽絵惣株式会社】
〜 貝が織りなす白を用いた「伝統色」で指先を彩る 〜
絵の具の製造・卸業として江戸時代は宝暦元年(1751)に創業。うなぎの寝床と呼ばれるほど長い京町家の奥では、今も職人たちが変わらぬ製法で絵の具作りに励んでいます。そんな日本の伝統色を知り尽くす店だからこそ生まれたのが胡粉ネイル。日本画で用いられる白の天然顔料「胡粉(ごふん)」を配合した色とりどりの41色がそろい、絵の具屋ならではの美しい色彩に目を奪われます。天然素材を大切にした水溶性のネイルは、刺激臭がなく、爪に優しいのも嬉しいところ。塗り心地が良く、2,3分ほどで素早く乾く速乾性と鮮やかな発色が魅力です。日本画を嗜まない人も和の色彩がぐっと身近に。指先を彩ることで手軽に京都の歴史に触れられます。
【かづら清老舗】
〜 芸舞妓にも愛される、髪や肌を艶めかすマルチオイル 〜
祇園に本店を構え、多くの芸舞妓に愛される老舗店。慶応元年(1865)に創業し、髪まわりの製品を中心に製造・販売を手がけています。言わずと知れた看板商品は、黄金色に輝く特製つばき油。五島列島の豊かな土地が育んだ良質な椿の実を原料に、自社工場で100%純粋のつばき油を製造しています。完全無農薬、手摘み、手選別など、並々ならぬこだわりが詰まった一品。髪はもちろん顔や身体など、頭の先からつま先まで全身に潤いを与えてくれる優れものです。人の肌に近いオレイン酸を約85%も含み、しっかりとした保湿力ながらもさらりとした使い心地。ヘアケアやスキンケア、コスメなど、店頭には自慢のつばき油を配合した商品が多数並びます。
各々の願いを込めて、美容にまつわる神社めぐり
京の美の歴史を知るなら、美容にまつわる神社めぐりへ。京都には神社がたくさんありますが、どこを訪れるかも悩みどころ。そんな時は、願い事に合わせて絞ってみるのがおすすめです。美しくなりたいという思いは、今も昔も変わらぬもの。歴史ある京都だからこそ、長きに渡り多くの人たちの願いが集まっています。そんなご利益を感じるパワースポットを訪れれば、なんだか願いが叶う予感。各々の願いを胸に、心静かに参りましょう。

【御髪神社】
百人一首で有名な小倉山の麓に佇む日本唯一の髪の神社。日本初の髪結い職となった藤原采女亮政之(ふじわらうねめのすけまさゆき)公を祀り、理美容関係者によって開かれました。髪にまつわる授与品が豊富にそろい、理・美容師の国家試験合格祈願や技術向上のほか、美しい髪を求めて全国から参拝客が訪れます。

【若宮八幡宮社】
清水焼発祥の地として知られる五条坂に鎮座する古社。御祭神の一人に美貌と強さを併せ持つ第14代天皇の后・神功皇后(じんぐうこうごう)を祀ることから、美人祈願のスポットとして信仰を集めています。境内に「身も心も美しく」と掲げられるように、外見だけにとらわれない内面からの美しさを見直すきっかけになるでしょう。

【河合神社】
糺の森の南側に位置する下鴨神社の第一摂社。御祭神は、その美しさから「美麗の神」として親しまれている神武天皇の母・玉依姫命(たまよりひめのみこと)。美麗の祈願絵馬として授与される手鏡の形を模した鏡絵馬が有名です。描かれた顔に自身の化粧品を使ってメイクを施すことで、外見だけでなく内面の美しさを願います。
日常使いやお土産にしたい「京コスメ」
いつも悩みがちな旅先でのお土産。昔からある伝統的な品々も間違いがないけれど、時には人と差をつけて。京都の文化や食材から生まれた新しいアイテムはいかがですか。現代の暮らしにすっと馴染み、その土地の歴史を身近に感じることができます。スキンケアやコスメは、友だちや家族へのプレゼントだけでなく、自分用にもうれしいもの。しっかりとした品質も愛用の決め手になります。毎日使って京都でのひと時を思い出しませんか。

京都しゃぼんや
天然・オーガニック原料のみを使用した石鹸店。中でも「京さんぽりっぷ」は、聖護院八ツ橋総本店、おちゃのこさいさい、蜂蜜専門店ドラートといった有名店とコラボした話題の品。八ツ橋の原料や一味唐辛子、マヌカ蜂蜜を用いたユニークさだけでなく、保湿力の高いひまし油を配合しており、品質の高さもお墨付きです。

KOTOSHINA
宇治の有機緑茶園と提携した京都発のオーガニックスキンケアブランド。茶葉だけでなくお茶の実から抽出したオイルもふんだんに。全ての商品に有機緑茶の成分を配合し、まさに肌で京都の自然を感じることができます。コスメだけでなく飲料用の茶葉の販売にも注目を。茶葉本来の旨みに、質の高さが頷けます。

香老舗 薫玉堂
創業430年以上の歴史を持つ御香調進所。クラシカルなお香もそろいますが、お香の薫りを気軽に纏えるボディケア用品もおすすめ。四季の薫りを連想させる4種のハンドクリームは、お土産にも最適です。京都で採れた季節の素材にお香の天然原料を調合。リラックス、リフレッシュ、集中など、なりたい気分に合わせて薫りを選べます。
日々を彩る「京美容」マップ
※写真・イラストはイメージです。
※掲載内容は2026年2月18日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。











